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27 April

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10 November

Father / Ethereal / Awful Records

アトランタでルーム・シェアをするヒップホップ・コレクティブ、総勢11人から成る<Awful Records>の面々が存在感を示し始めている。主催は、自身がプロデューサーでもあるFather。始動は2012年。Father以外のコア・メンバーは、Richposlim、KeithCharlesSpacebar、Archibald Slim、GAHMの4人。直近のインタビューが『FADER』に出てますが、一時期は今年大ブレイクを果たした同郷のiLoveMakonnenもこの<Awful>周辺に出入りしていた風ですね。(iLoveMakonnenがひとりで勝ち抜けしてしまったのか?)

●Father - 'KiLO' / Posted on Dec 30, 2013


レーベルとしての方向性というのは特に縛ってないのでしょうが、誰のトラックを聴いてみてもウワモノは一貫して不穏。リズム・セクションだけで判断すれば、これも広義のトラップと呼ぶのでしょう。それでいて、トラックはローファイというより徹底的にスカスカな印象を残します。ボトムが太いわりには上に物が載ってない、というか。そのアンバランスさが聴き手を不安にさせます。こちらは唯一の女子メンバーであるNARF(a.k.a Lord Narf)をヴォーカルにフィーチャーした一曲。トラックはFatherとArchibald Slimの連名によるもの。イイっすね。

●NARF - 'B&B (feat. FATHER)' / Posted on Aug 16, 2014


せっかくのメモ帳なので、11人を頑張って数えてみますか。

・<Awful Records>(hptwscyt

・Father(twscbc
・Richposlim(twscbc
・KeithCharlesSpacebar(twscbc
・Archibald Slim(twscbc
・GAHM(twscbc
・ETHEREAL a.k.a Obie(twscbc
・Slug Christ(twscbc
・NARF(twsc、bc)
・Stalin Majesty(twscbc
・FreezaMode = Pyramid Quince(twscbc) + LuiDiamonds(twsc、bc)

多分、これで合っているかと。自信ないですが。ヒップホップ通のあいだではETHEREALの評価が特に高いみたいですが、11人の全貌を把握するにはまだまだ時間がかかりそうな予感。

●ETHEREAL - 'Believe (Ft. TLM)' / Posted on Sep 10, 2014


そうこうしているうちに、見慣れない名前もどんどん増えてるような気がします。11人が大集結してアルバムを作ったりしたらお祭りになるだろうけど、当面は不定形にコラボし合っていくのでしょうか。Rome Fortuneが気に入った人などは、同じアトランタの勢力としてレーベル名くらいは覚えておいて損はなさそうですね。2015年にはもう少し大きなうねりに繋がっていそうな気がします。楽しみ!
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10 November

Lil Herb / Katie Got Bandz / Drill

9月、10月は不可抗力だったとはいえ、せっかく参加させていただいたHi-Hi-Whoopeeでほとんど記事を投稿できなかったことを申し訳なく思います。書いたら書いたでHTMLの編集がぜんぜんダメで、本当に申し訳ない。いま思い返せば、最初の投稿はLil Herbでした。これ、今年のベスト3に入る勢いで聴いてます。シカゴのDrill。『XXL』マガジンの評価は「L」みたいなんですけど、デビュー・ミクステ『Welcome To Fazoland』、これは本当に強烈ですよ。あとはリリックがちゃんと読めれば、また違った世界が見えるみたいなんですけど。(Lil Herbはその後、シカゴの大先輩であるCommonや、シカゴで違う方向性を探るChance The Rapperらとも共演。)

●Lil Herb - 'ALL MY NIGGAS' / 2013/11/14 に公開


このドリルというのはトラップの派生スタイルで、よりメタリックで硬質なプロダクションが特徴なんですが、その原型はWaka Flocka Flameが提示したというのがウィキペディア的な通説なんですね。「あの人がWaka Flocka Flameを好きとか以外でおもろいなー」みたくツイートしてくれた方がいたと思うんですけど、基本的に激しいものは好きなんですよね。それも、激しいならトコトン激しいのがいい。ロック出身の人間からすれば、例えば「ギター主体のロックはもうあんまり聴かないけど、ギター・ウルフくらい突き抜けてればアリ」みたいな感覚なんだと思います。だから、批評的に惨敗中のKatie Got BandzもDrill系ではかなり好きな方です。(2013年のミクステ『Drillary Clinton』はピッチフォークで5.5点、今年出たミクステ『Drillary Clinton 2』はHotNewHipHopで54票平均で40点!)

●Katie Got Bandz - 'Lil Bitch' / 2014/07/08 に公開


この辺に惹かれる心情を理解していただくには、トラップやドリルのミクステを無理して何本も聴くよりは、映画『スプリング・ブレイカーズ』を観ていただいた方が早いかもしれません。簡単に説明すると、女子大生のギャルたちがストリート・ギャングたちと一瞬の夢を見るという「だけ」の映画なんですが、ここで使われる音楽が、Skrillex(代表曲の再生回数が179,670,040回!)などのEDM(いわゆるダブステというやつ)であり、EDMと対を成す形で使われるのが、Waka Flocka Flameだったり、Meek Millだったり、Gucci Maneだったりするわけです。「変わっていく変わらない若者の典型さ」がエグいまでのステレオタイプで描かれる泡沫の如き傑作、というか。こういうの、悪趣味ですかね。

●Directed by Harmony Korine - 'Spring Breakers' / 2013(USA)


さて、冒頭の続きを少しだけ。ツイッター・ベースだけで見ても6,000超のフォロワーを抱えていたHHWが事実上、更新休止してしまうことに、僕は悲しさ・寂しさを感じるとともに危機感と言うか、何か大きな現実を突き付けられた思いです。このブログはHHWの歴史に対する僕なりのリスペクトで更新されています。未練がましくブログ・カルチャーの末席を汚すことをどうかお許しください。
10 November

Wavves / Sweet Valley / Spirit Club

不勉強なもので、ローファイ系のサーフ・ロック・バンド、Wavvesの中心人物であるNathan Williamsが、兄弟であるJoel WilliamsとSweet Valleyなるヒップホップ系のビート・チームを組んでいたとは、まったく知りませんでしたよ。しかも、ヒップホップ寄りの中ではもっとも影響力のあるインディー勢力の一つである<Fool's Gold>のホスティングですでに何作かビート・アルバムを出していたとは。まったくノーチェックでした。2012年頃からやってるみたいですね。

●Sweet Valley - 'Jenova' / released 12 December 2012


というか、一連のサーフ・ロック系全般を遠くからぼんやりと眺めていた人間からすれば、Wavvesさえ完全スルー状態だったわけで。だって、いかにも「海へ行くつもりじゃなかったWeezer」てな感じで、大学生活が終わりかけていた年齢の人間には無理だったのよ、あまりにも頼りなくて。それがいまや、ラッパーのDaVinciをフィーチャーした<Fool's Gold>からなミクステ『Ghetto Cuisine』は、2014年のベストのひとつとして名乗りを上げそうな仕上がりですよ。これにはびっくりしました。フリーなので今からでも是非。Main Attrakionzなんかも参加。

●DaVinci & Sweet Valley - 'Intl Go Girl (Feat. D.how The Money Mayka & Main Attrakionz)' / Posted on Apr 8, 2014


で、このWilliams兄弟のSweet Valleyにチルウェイヴの残党、Jeans Wilderが加わって編成されたというSpirit Clubの音を聴いてみると、またインディー・ロックに戻っているという不思議。こちらはMediaFireからのフリーダウンロードですので落としておきましょう。

●Spirit Club - 'Eye Dozer' / 2014/10/07 に公開


落としたものを聴き返しつつ、年間ベスト・ミクステを決めながら、こんな感じでいろいろ整理しています。
10 November

Rome Fortune / Four Tet / Suicideyear

今年いよいよ本格的なブレイクを果たしたアトランタのラッパー、Rome Fortune。トラップにモロな影響を受けつつも、その先に待つ音を気鋭のプロデューサーたちと探っている貪欲な姿勢に痺れます。EPサイズも含めれば、今年だけでミックステープが3本かな? どれも素晴らしい内容だけど、それぞれでプロデューサーの起用をほぼ完全に区別しているのがクール。自分の方向性を探りつつ、トラックとの相性を確かめつつ、といったところでしょうか。個人的には、『Beautiful Pimp II』が今のところ一番かな。この独特の澄み切ったアンビエンス。エレクトロニカ的と言うか、でもそこに仄かな緊張感も漂い、何回も聴いてしまう。

●Rome Fortune - 'Bad For Me (ft. Candice Mims & CitoOnTheBeat)' / Posted on Jan 11, 2014


ここで素晴らしいR&Bヴォーカルを聴かせているのは、シンガーのCandice Mims。この二人のコラボは度々行われていますが相性は良好でしょう。残念ながらトラック・プロデュースのクレジットが僕の持っているファイルには書いてないんですけど、ミクステ全体としては地元アトランタのChildish MajorDun DealDJ Spinzが中心になっているみたいですが、この曲に関しては前作でも最高の相性を見せつけたCitoOnTheBeatがトラックも提供しているのかな? で、Rome Fortuneに関してインディー・ロック的な視点からしてみれば、Four Tetのプロデュースで何曲かレパートリーのあるラッパーでもありますよね。

●Rome Fortune - 'Lights Low (prod Four Tet)' / Posted on Jul 11, 2014


新進ラッパーが現行クラブ・ミュージックに力を借りる例としては、Le1fの'Jack (produced by FaltyDL)'なんていう例もありましたし、ピッチフォークとか、けっこう有力メディアもFour Tetのことを煽っていたので「次のミクステは本格共演か?」と早とちりした人も多かったかと思いますが(me too)、蓋を開けてみれば新ミクステ『Small VVorld』ではボーナス・トラック扱いでの'One Time For'のみ! その代わり、と言ってはフェアじゃないですが、大々的に起用されているプロデューサーのひとりが、今年<Software>からアルバム『Remembrance』をリリースしたSuicideyear。この二人のコラボはもっとすごいものを生み出していきそうな気がします。

●Suicideyear - 'Remembrance' / released 23 September 2014


このSuicideyearというのがなかなか面白くて、アルバムでマイブラの'When You Sleep'を再解釈していたり、インディー・ロック的な関心にももっと応えてくれそうなバックグラウンドが透けて見えます。Rome Fortune絡まりのプロデューサーで気になる人はもっといますが、とりあえず今日は取り急ぎのメモ、備忘録として。
09 November

Tink / Future Brown / How To Dress Well

いま、僕らの耳をもっとも甘く溶かしてしまうシンガーと言えば? 今年待望のアルバム・デビューを果たしたモデル/女優/ダンサーのTinashe(93年生まれ)も素晴らしいし、惜しくもマーキュリー賞を逃したものの、こちらも華々しいアルバム・デビューを飾ったFKA twigs(88年生まれ)も素晴らしい。けれども、単純に聴いた回数で言えば、僕はシカゴ出身のラッパー/シンガーであるTinkの名を挙げたい。2014年度の記事で19歳と紹介されているから、えーと、95年生まれ!? 今年のミクステ『Winter's Diary 2』は激マストなので(ツイートへの反応がまったくなかったので)今からでも貼っておきます。

●Tink - 'Treat Me Like Somebody' / Posted on Nov 15, 2013


90年代に流行ったヒップホップ絡まりのR&Bが好きだったみたいで、このミクステも割とかっちりめのプロダクションで質はかなり高いと思います。「プロダクションの面白さがまず優先されがちなインディーR&Bがピークに達した2014年に、こういうウェルメイドなやつが好きっていうと保守的って言われるかな?」みたいな謎の自意識を働かせてしまったわけですが、はっきり言って最高です。ラップも歌も自由自在。ミクステだけでも他に4作ほどありますが、とりあえずはこの『Winter's Diary 2』を飽きるほど聴いておけば大丈夫かと。スーパー・プロデューサーのTimbalandが「新しいお気に入り」として既に囲い込みをかけているらしいので今後どのように転んでいくかは分かりませんが、最近「歌い過ぎでは?」疑惑のあるHow To Dress Wellさんが早速プロデュースしていたり、

●Tink - 'Can I (Feat. How to Dress Well)' / Posted on Aug 12, 2013


<WARP>からのシングル・デビューを果たしたアンダーグラウンドのスーパー・グループ(この死語っぷりが逆にイイね!)であるFuture Brownにヴォーカリストとしてフィーチャリングされるなど、可能性は無限。

●Future Brown - 'Wanna Party (Ft. Tink)' / Posted on Jul 31, 2013


さらに言えば、ネクスト・アリーヤとして2013年に一気に注目を浴びたKelelaとも共演済みだし、シカゴの同郷であるラッパーのLil Herbをフィーチャリングしたりと、アンダーグラウンドのままメインストリームとも接続可能なこのポテンシャルを見せつけられては、次世代のアイコンとして大きな役割を果たしそうな気がしてなりません。僕がツイッターでフォローしている888人のなかにTinkをフォローしてる人はいないっぽいのですけど、2015年にアルバム・デビューするとするならば、その時は皆さんと一緒に盛り上がりたいと思っています。(僕が遅いだけで皆さんがスルー済みの存在だったらすみません・・・・)