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Nico Niquo - 'Epitaph'
1月がアルカだったとすれば、2月はこれ。2013年にOneohtrix Point Neverが、2014年にGiant Clawが提示して見せた高みが、早くも相対化・対象化されているポスト・インターネット状況のスピード感が、しかしどこまでも優雅に、むしろゆったりとした大らかさで音楽化されている。中堅どころの変名プロジェクトだと信じたい、ズブの新人だとしたらまったくもって恐るべき作品。
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Cakes Da Killa - '#IMF'
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MishkaNYC]
クィア・ラップ四天王のひとり(?)として既に一定の地位を築いた感のあるラッパーだが、いまだその鮮度を失わず、このEPではこれが処女作と言わんばかりのエネルギーが炸裂している。
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SUPERMARKET! - 'SUPERMARKET!'
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self-released]
Young Echoだの<Tri Angle>だのといった2010年代の初頭を感じさせる言葉が、少しずつ意味を変質させながら2010年代の中盤になってもその重要性を失っていないという点で、このエディット・アルバムは重要。という以前に、聴いていて単純に気持ちがいい。2000年代の超どメジャーなR&BをアンビエントR&Bに改造。今はヴォーカルの処理にもっともセンスが現れる時代でもあるかなと。
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EUGLOSSINE - 'COMPLEX PLAYGROUND'
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BEER ON THE RUG]
目下、最近のお気に入り。2月は、<Orange Milk>や<BEER ON THE RUG>がきちっと役割を果たしてくれた感があります。
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JAMES MATTHEW - 'EL SERENO TAPE'
今月の趣味枠。この人のビートに抗うすべを僕は持っていない。ヒップホップ史から何をも奪わず、新たな断片をそっと置き添えるだけの慎ましいサンプリング小品集。センスだけで録られたようなマジックの気配。