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20 May

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09 November

Tink / Future Brown / How To Dress Well

いま、僕らの耳をもっとも甘く溶かしてしまうシンガーと言えば? 今年待望のアルバム・デビューを果たしたモデル/女優/ダンサーのTinashe(93年生まれ)も素晴らしいし、惜しくもマーキュリー賞を逃したものの、こちらも華々しいアルバム・デビューを飾ったFKA twigs(88年生まれ)も素晴らしい。けれども、単純に聴いた回数で言えば、僕はシカゴ出身のラッパー/シンガーであるTinkの名を挙げたい。2014年度の記事で19歳と紹介されているから、えーと、95年生まれ!? 今年のミクステ『Winter's Diary 2』は激マストなので(ツイートへの反応がまったくなかったので)今からでも貼っておきます。

●Tink - 'Treat Me Like Somebody' / Posted on Nov 15, 2013


90年代に流行ったヒップホップ絡まりのR&Bが好きだったみたいで、このミクステも割とかっちりめのプロダクションで質はかなり高いと思います。「プロダクションの面白さがまず優先されがちなインディーR&Bがピークに達した2014年に、こういうウェルメイドなやつが好きっていうと保守的って言われるかな?」みたいな謎の自意識を働かせてしまったわけですが、はっきり言って最高です。ラップも歌も自由自在。ミクステだけでも他に4作ほどありますが、とりあえずはこの『Winter's Diary 2』を飽きるほど聴いておけば大丈夫かと。スーパー・プロデューサーのTimbalandが「新しいお気に入り」として既に囲い込みをかけているらしいので今後どのように転んでいくかは分かりませんが、最近「歌い過ぎでは?」疑惑のあるHow To Dress Wellさんが早速プロデュースしていたり、

●Tink - 'Can I (Feat. How to Dress Well)' / Posted on Aug 12, 2013


<WARP>からのシングル・デビューを果たしたアンダーグラウンドのスーパー・グループ(この死語っぷりが逆にイイね!)であるFuture Brownにヴォーカリストとしてフィーチャリングされるなど、可能性は無限。

●Future Brown - 'Wanna Party (Ft. Tink)' / Posted on Jul 31, 2013


さらに言えば、ネクスト・アリーヤとして2013年に一気に注目を浴びたKelelaとも共演済みだし、シカゴの同郷であるラッパーのLil Herbをフィーチャリングしたりと、アンダーグラウンドのままメインストリームとも接続可能なこのポテンシャルを見せつけられては、次世代のアイコンとして大きな役割を果たしそうな気がしてなりません。僕がツイッターでフォローしている888人のなかにTinkをフォローしてる人はいないっぽいのですけど、2015年にアルバム・デビューするとするならば、その時は皆さんと一緒に盛り上がりたいと思っています。(僕が遅いだけで皆さんがスルー済みの存在だったらすみません・・・・)
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09 November

Izy / Daddy AOL / Color Plus

続、<Swim Team>周辺について。詳細不明ですが、このIzyという人はラッパーなのでしょう。いわゆるクィア・ラップ風のフロウ(特に高音部)が中毒的に絡みつく感じ。低音部は割とオーセンティックかな。下に貼ったサンクラの楽曲をプロデュースしている@PANCAKe$という人物もこの周辺の関係者なのか、こちらも詳細はつかめませんでした。ラッパーとして個性が突き抜けるにはもうちょっと何かが必要な気もしますが、現場でパワーを直に感じてみたい気にさせます。

●Izy - 'Tasteless.' / Posted on May 12, 2014


そして、コンピレーション『SWIM TEAM TRAX 1』でこのIzyをプロデュースしているのが、Daddy AOLとColor Plusのお二人。まずはDaddy AOLですが、現在331人がフォローしているツイッターのアカウントには「Booking / inquiries / drug deals」と書いてあります。BPMは割とレンジ広めで、メロウっぽいのからジューク以降を感じさせるダーティーなダンス・トラックまで。

●Daddy AOL - 'DRIP(SNIPPET) FT. DJ LILMATT69' / Posted on Oct 17, 2014


続いてColor Plusですが、こちらのツイッターは現在677人のフォロワー。トラップ的なヒップホップの感性をアコースティック/エレクトロニカ/ミュージック・コンクレート的な方法論で尖鋭化させた感じ。個人のbandcampアカウントあり。また、ブログの宿題が増えるだけな気もしますが、<Numenon>なるレーベル(?)のコンピレーションにも参加。

●Color Plus - 'CPU Flower' / Posted on Aug 1, 2014


とりあえず、書くだけ書くとこんな感じ。また次回に続きます。(多分)
08 November

Swim Team / Bootleg Tapes / New York

これはカッコいい! 詳しいことは分かりませんが、<Swim Team>はニューヨークのアンダーグラウンド、特に<Bootleg Tapes>周辺のプロデューサーを中心に、ゆるやかに形成されたサウンド・チーム、パーティー・コレクティブのようです。まずはお披露目的なコンピレーションがドロップ。これはマストでしょう。

●Various Artists(Swim Team) - 'SWIM TEAM TRAX 1' / released 04 November 2014


<Bootleg Tapes>と言えば、ヴェイパー以降のディラとでも呼ぶべき、あの微妙に靄がかったアンビエンスとタイム感が特徴のサンプリング志向なインスト・ヒップホップのレーベル、という印象でした。それが、このK A N Y O Nのリリースで「おや?」となった。明らかにこれまでのディスコグラフィーとは一線を画す、ぶっ飛んだパーティーが想像されるハイなダンス・ビート。反復するビートをチルではなく、もっとアッパーな方向に導こうとする意志を感じました。それで、検索から各種リンクを辿っていくと<Swim Team>にたどり着いた、と。

●K A N Y O N - 'PALLADIUM' / released 12 September 2014


そこで、<Bootleg Tapes>の中心人物の一人、LORD $M$の楽曲が、自分の知っているLORD $M$ではないので、念のためサンクラを覗いてみると・・・

●LORD $M$ - ':) (187wet)***' / Posted on Oct 26, 2014


ジュ、ジューク/フットワーク化しているではありませんか!? 自分が気づいてなかっただけなのかもしれませんが、これにはびっくりです。ジューク/フットワークのまいた種は、本当にいろいろな遺伝の仕方をしていくのかも。ぶっちゃけ、<Bootleg Tapes>もあのままだったら興味がいつまで持続したか分からないので、これは嬉しい変化。『SWIM TEAM TRAX 1』を聴いていると、何やらゲットー感のあるハウスやテクノ、アンビエントなども混ざり合っているようです。<Swim Team>参加の他のプロデューサーについては、また次回の更新で!
08 November

TCF / Janus / YYAA

さてさて。ポスト『&&&&&』的な文脈で<Janus>周辺を観察していると、自然と視界に入って暴れ出し、やがて拭えなくなるのがTCFでしょう。まあ、とにかく聴いてみてください。完璧に向こう側です。

●TCF - '68 2D F7 E2 F5 0B F7 57 F3 28 7A 46 87 0B 7F 14 BE 45 1E 6F 9A 95 1F 5D 96 55 9A 7E FC 19 B2 01' / Posted on Jul 2, 2014


いやー、すごいすごい。『&&&&&』が相対的に大人しく感じられるほどの分裂性。ハーシュノイズとしてのテクノというか。頭の中、どうなってるんでしょう。ちなみに、こちらのサイトを丸ごと信じるなら、TCFはノルウェー生まれのプロデューサー、本名がLars Holdhusというらしいです。デビュー作をこちらもベルリンな<YYAA>からリリース。そのほか、詳しいことはHi-Hi-Whoopeeの決定版的な記事をご参照あれ。

●TCF - 'A0afdf049217e61e3f3c9a1faf1d1f7288d16148703afb8b3e66f93b268' / Posted on Aug 12, 2013


単なる検索避けなのか、何かのコードになっていて特定の関数で変換すると何か意味のある文字列になるとか? いまのところ、乱数で適当に弾き出したデタラメなバグにしか見えませんが、これらのネーミング・コンセプトは初期から一貫しているようですね。サンクラはほとんどダウンロード可能ですので、落とせるうちに落としておきましょう。

●TCF - '486669f0e9b8990384108f3d54c6a8f036adeb8bc7108f3d54c6a8f036adeb' / Posted on Jun 3, 2014


ちなみにこの記事を書きながら気付いたのですが、本当に近しい人しかフォローしていないArcaのツイッター・アカウントで、新たにフォロー登録されているのが、M.E.S.H.と、Loticと、このTCFみたいですね。ベルリン、ロンドン、ニューヨーク。インターネットを介してどのようにうねるのか、あるいはまったく別の進路を取るのか、2015年の楽しみにしておこうと思います。
08 November

HVAD / M.E.S.H. / ASMR

前回の更新で名前が出たLoticの『Damsel In Distress』に続き、ベルリンの<Janus>がレーベル第二弾として公開しているのが、DJ HVADによるミュジーク・コンクレート的なセルフタイトル・ミックス(HVADは英語で「what」の意味だそう)。Arcaの『&&&&&』以降に生まれたあれらの音源が架空のミュジーク・コンクレート(Distroid?)だったとするなら、こちらはDistroid的なサウンドとマジモノのミュジーク・コンクレートの混ぜ物、といった具合。妙にハマります。

●HVAD - 'HVAD' / Posted on Oct 8, 2014


気になるのは、序盤の1分過ぎの地点に出て来るチャックを高速で開け閉めするような音。こちらも前回の更新で名前の出たM.E.S.H.が、ダミー・マガジンの「The 10 best found field recordings on Youtube, according to M.E.S.H.」でYouTubeで聴ける自然環境音ベスト10を発表しているわけですが、そこで知ったのがASMR(Autonomous Sensory Meridian Responseの略)という概念。これ、面白いんですよ。



日本語のウィキペディアによれば、「眠くなる、心地良い、頭がゾワゾワするといったような感覚が得られる音。日本では「音フェチ」というジャンルで動画投稿サイトから検索することで味わうことができるが感じ方は人それぞれである。近年ではローカルな人気を博しているが、一般的ではないため「変態」的なフェチであるという認識が強い。」とのこと。



こんな具合。よく音楽を達観した人が「俺はもう街を歩いているときに聴こえてくる音で音楽はじゅうぶん」とか言ったりするけど、こういう古典的な手法が現在進行形の音楽とどのように融合できるのか、その可能性の一端として見ることもできるかもしれませんね。