年間ベスト・アルバムの記事を更新する直前、「30枚の予定でしたが、やっぱり10枚に圧縮させようかと思います」とツイートしたとおり、先日発表した《
Favorite 10 Albums of 2014》は、当初発表予定だったベスト30の中から、「自分が特に2014年っぽいと思える作品」を点描的に抽出したものでした。つまり、厳密な意味でのトップ10ではありませんでした。今回は、せっかく選んだこともあり、こぼれてしまった残りの20枚の中から「それでもやはり、聴かれるべき作品」を10枚選定しました。逆を言えば、「なぜ最終の10枚から漏れてしまったのか」を考えることになったと思います。では、どうぞ。
20
Ian William Craig
A Turn of Breath
[Recital]
クオリティ的には申し分なし。マスタリングも素晴らしい。しかしそれゆえに、2014年という短いスパンで評価すべき作品ではないかと。レコードでよく聴きました。(
BUY/LISTEN)
19
Rome Fortune
Beautiful Pimp II
[self-released]
大豊作だったアトランタ勢の中での競合で敗れたが、必聴のミックステープであることには変わりない。詳しくは
こちらで。(
DOWNLOAD/LISTEN)
18
Shintaro Sakamoto
Let's Dance Raw
[Zelone]
オウガとの競合で次点とした。コンセプト的にはVaporwave、精神的にはパンクという、2014年にはドンピシャの作品だったが、やはり、言葉が少し強すぎる気がしました。(
BUY/LISTEN)
17
Tink
Winter's Diary 2
[self-released]
再生回数で言えばもっと上。しかし、FKA twigsをトップ10から外す決断をした以上、それを差し置いて評価することはできなかった。詳しくは
こちらで。(
DOWNLOAD/LISTEN)
16
Susan Balmar
SIGNUM
[Beer On The Rug]
トップ10への入選はD/P/Iに譲った。関連プロジェクト含めて、どれがもっとも音楽として優れているのか、発狂寸前になりながら考えたが、やはりD/P/I以外には考えられなかった。さらなる大躍進が期待されるエクスペリメンタルの大いなる可能性。(
BUY/LISTEN)
15
FKA twigs
LP1
[Young Turks]
詳しくは
こちらで書いたレビューに譲るが、簡単に言えば、1=『EP2』とどうしても比べてしまった。2=LPの尺でやるには、もう少しコントラストの面で工夫が必要な気がした、ということ。曲を厳選した『EP3』であればもっと上だったかも。(
BUY/LISTEN)
14
TCF
415C47197F78E811FEEB7862288306EC4137FD4EC3DED8B
[Liberation Technologies]
ArcaやLoticとの競合で次点としたが、ポスト『&&&&&』における壮大な一歩であることに違いはない。2015年も要注目。詳しくは
こちらで。(
BUY/LISTEN)
13
Death Grips
niggas on the moon
[self-released]
12
Swans
To Be Kind
[Mute / Young God]
天野龍太郎の
レビューにやられた。プログレ的と言うか、今年は一曲が長いロックを聴いていた気がする。(
BUY/LISTEN)
11
Giant Claw
DARK WEB
[Orange Milk / Noumenal Loom]
あらゆる音楽を断片化し、アーカイブ化したデータベースの上で、悪魔がスロット・ゲームで遊んでいるかのよう。サイコロが転がるたびにジャンルを自在に横断する。自分よりもガッツリ褒める人がいるだろう、と思って最後に外してしまった。マスト。(
BUY/LISTEN)