昨年はこの場で「ゼロ年代がちゃんと終わった」などとコメントしたのを覚えてますが、その象徴たる『ピッチフォーク』の点数などいよいよ誰も気にしなくなった2014年、面白かったのはベルリン、シカゴ、アトランタあたりのアンダーグラウンドだった気がします。通いたいショップは京都にならありましたが、あまりに遠いうえに通販でも競争に負けることが多く、欲しい音楽の多くはBoomkatやBandcampでダウンロードしてた気がします。やけにディスられることも多かったように思いますが、僕はマイナーな人間になったのでしょうか? いや、ポップの更新ができていないのはあなたの方です。聴くべき音楽、つまり「本当の意味でのポップ」はいま、ここにあります。
10
Music For Your Plants
PAN EP
[DIS Magazine]
自ら名乗るように、これは「あなた(=人間)のための音楽ではない」と。ディストロイドとジューク/フットワークを飲み込んだ、アンドロイドのためのレイブ・ミュージック。(
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9
Lil Herb
Welcome To Fazoland
[NLMB]
シカゴのドリル・シーンが生んだ最高のタレント。「リアルな」ヒップホップが聴きたければ、このミックステープは外せない。チャンス・ザ・ラッパーの弟とも友だちだとか。(
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8
Gem Jones
Admiral Frenchkiss
[Goaty Tapes]
ピクシーズは好きか? ヨ・ラ・テンゴを聴いて泣いたことはあるか? この歌声には抗えない。2014年のベスト・オブ・インディー・ロック。(
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7
Lotic
Damsel In Distress
[Janus]
アルカの『&&&&&』に影響を受けたようなディストロイド・サウンドの多くはベルリンで生まれた。この音源のダウンロードを逃した人は、2014年の一部を確実に見落としている。詳しくは
こちらで。(
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6
thestand4rd
thestand4rd
[self-released]
2015年に確実に来る、ミネアポリスのヒップホップ・コレクティブ。ジェイムス・ブレイクとポスト・トラップの向こう側へ。詳しくは
こちらで。(
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5
18+
Trust
[Houndstooth]
ポップにしてヒップ。正確には2014年の作品ではない、「ベスト・オブ・ミックステープ」な内容だが、マスタリング・エンジニアを見ればどういう文脈で聴かれるべきなのか、分かる人には分かるでしょう。(
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4
OGRE YOU ASSHOLE
PAPERCRAFT
[P-VINE]
レーベルの担当者から見本の白盤を預かり、プレイヤーで再生した瞬間にへなへなと座り込んでしまった。こんな作品が出てしまっては、この国でロックと呼ばれている音楽の9割はもはや聴く必要がない。ロックが終わったあとのロック。それでも続いているロック。それはあまりにも・・・。詳しくは
こちらで。(
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3
Arca
Xen
[Mute]
レコードでよく聴いた。音の鳴りがとにかく素晴らしい。瞬く間にアルカ論壇のようなものが形成され、自称「インディー(?)」な人たちにやたらと空中でディスられた気がするけれども、相手をする時間すら惜しく。まあ、詳しくは
こちらで。『エレ・キング』の最新号では、単独取材でインタビューしてます。(
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2
D/P/I
MN.ROY
[Leaving]
実質的には同率一位、2014年の最高峰。「D/P/Iの音楽は仕上がったらすぐにリリースされるされるべきだと思う。プレスされるのを待つようなモノじゃないんだ」と、『エレ・キング』の最新号で自ら語っています。(
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1
ETHEREAL
Cactus Jack
[Awful]
総勢11人、アトランタでルーム・シェアをするヒップホップ・コレクティブから生まれた2014年のベスト。オンラインの地下室とも共振する、2015年に間違いなく爆発するアンダーグラウンド・ヒップホップの未来。詳しくは
こちらで。(
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