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03 May

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24 November

Mick Jenkins / Saba / OnGaud

1991年生まれのシカゴのラッパー、ステージ・ネームで言うところのMick Jenkins(twsc)のミクステ『The Water(s)』は今年のベストの一枚でしょう。先日紹介したPellのミクステも似たような構図のジャケでしたが、あちらがチル~ドリーミーなプロダクションとリンクした夜間遊泳だったのに対し、こちらは水中にゆっくりと沈んでいくイメージ。それは音のムードにも直結しています。まずは一曲。

●Mick Jenkins - 'Healer Ft. Jean Deaux' (Prod. Dream Koala & OnGaud) / Posted on Aug 13, 2014


ウィキっても詳細なルーツは不明なのですが、キャリアらしいキャリアは2012年のBandcampなアルバム『The Pursuit of HappyNess: The Story of Mickalascage.』で始まっているようです。サンクラをチェックする限り、プロデューサーは無名~ちょい有名くらいの布陣で、2013年のミクステ『Microwaves』がまだ落とせるニューヨークのAfter The Smokeや、チルウェイヴ系のChris Calorや、<KEATS//COLLECTIVE>コンピの常連であるVanillaなんかも参加してます。地域もバラバラ、かろうじてチルなムードでリンクしている面々。つまり、おそらくは典型的なネット世代流儀のアルバム制作だったと推測されます。

●Mick Jenkins - 'We Out Here ft. Playboy Prop' / released 05 August 2012


転機となったのは(ウィキによれば)、2012年にシカゴへ戻ったときに地元のヒップホップ・コレクティブ<Pivot Gang>のリーダー、Sabaとの出会いだったようです。2012年のミクステ『GetCOMFORTable』や、2014年のミクステ『ComfortZone』もスマッシュ・ヒット作なので落としておいて損はありません。そのSabaとのコラボ曲も含むミクステ、『Trees And Truths』をMick Jenkinsの本人アカウント(?)でdatpiffにアップ。あの<DIRTY TAPES>系のビート・ジャンキー、Ohblivも一曲提供。つまり、「ジャズでアシッドでサイケデリックなJay-Z」とでも言うべき世界が立ちあがっています。マスト。

●Mick Jenkins - 'Peg Cuff and Pocket Tees' (Prod. by Greg Pearce) / Posted on Mar 28, 2013


この後、Mick Jenkinsは大ブレイク。地元シカゴで、<SAVEMONEY>周辺とのシーンを超えたコラボを披露。そのジャジーな感性にリンクするものがあったのか、ニューヨーク周辺のシーンの中心人物、Joey Bada$$とも早々にコラボをキメています。ミクステ『The Water(s)』にはドレイクやケンドリック等のプロデュースで2010年代のヒップホップ~R&B全般で目下バカ売れ中のDJ Dahiも'Dehydration Ft. The Mind'を提供。シーンに内在しつつもシーンから半歩はみ出ている感じが面白いです。

●Mick Jenkins - 'Jazz' (Prod. by OnGaud) / Posted on Aug 13, 2014


ここ二作のミクステで特筆すべき働きをしているのは、地元シカゴのプロデューサー、目下大躍進中のOnGaudですが、それはまたの機会に。
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