13 November LAMPGOD / LORD SMS / Bootleg Tapes 去年の終わりから今年の頭にかけて、ニューヨークのブルックリンでここ数年のあいだに同時多発的にリリースされたポスト・ディラ的なビート・テープを飽きるほど聴いた結果、本当に飽きてしまった。2006年のあの名盤『Donuts』を何年もかけて発酵させたようなインストのショート・ループやスクリューで調理されたサンプリング・ビート。それはまるで、Vaporwaveの熱気にあてられてしまった僕らのためのかび臭いチルアウトだった。しかし、まあ、本当にそれだけというか、何作も聴き進めるにつれ、「あ。これは全部同じだな」という乱暴な結論に達してしまいました。LAMPGODとŁ_RD//$M$による『??LAMPGOD??**Ł_RD//$M$??**$$EXT8PE??』はあのタイミングで聴いたからこそ意味があったように思います。で、そんな<Bootleg Tapes>に最初の異変が起きたのは、いま思えばSusan Balmarとの交流だったのでしょう。 ●Susan Balmar & LAMPGOD - 'SNL' / Posted on Sep 9, 2014 改めて考えると妙な組み合わせですし、音的にも「あれ、これはどうしたんだろう?」と思ったので、同じくブルックリンの好きだったレーベル<GrandGarden>をチェックすると、完全に時間が止まってますし、<SLF Tapes>はどこかへ行ってしまいました。観測範囲内でなんとか生き残っていたのは<DIRTY TAPES>です。Bandcampからのリリースは完全に途絶えていますが、レーベルのサンクラが何やら不穏。あの美しいループ・マジックは不規則なノイズにかき消されていますが、何かが蠢いている気配は感じられますよね。以下を参考までに貼っておきます。 ●<DIRTY TAPES> - '[/] CHAINGANG [/]' / Posted on Aug 15, 2014 この言い方はちょっと自意識過剰かもしれませんが、あの辺の音を聴きながら僕のように「あ。これは全部同じだな」のようなことを感じたリスナーは少なくないハズで、次の一手を見つけられなかったレーベルは途端にマンネリ化してしまったように思います。だからこそ、<DIRTY TAPES>はいまこうなんじゃないかと。そして、そういう袋小路を破るような異変が、<Bootleg Tapes>の周辺に起きつつあることはすでにメモしたけれど、ジューク/フットワークを本格導入したŁ_RD//$M$の新譜でそれが決定的なものになったと思います。 ●LORD SMS - 'WONTON SWOOSH' / released 12 November 2014 この作品が世界中のジューク/フットワーク作品と比べてどうこう、と言うほどの立場に僕はないですけど、少なくともD/P/IやSusan Balmarの作品をホスティングするのとはまた意味合いの違う、内からの変化をこのビートに感じるじゃありませんか。これのリイシュー(??)も謎ですし、レーベル的にもまた目が離せない存在になってきたように思います。メモメモ。 PR