少しずつ熱を帯びつつあるノースカロライナ州はシャーロットのラップ・シーン。前回メモした
Fraisや、その所属レーベルである<006 Set>周辺ともコラボする19歳(今は二十歳?)のラッパーにして、このシーンの命運を担っているようにも見えるホープ、それが
Well$なのでしょうか。ミクステ『
MTYSD: The Revenge of the African Booty Scratcher』はタイトルからしてコンシャスで、収録曲'
Django'のヴィデオも同様。シャーロットに生まれながらもコンゴ民主共和国に住む祖母に育てられた移民としてのアイデンティティー、「白人からすれば黒人、でも黒人からすれば白人」という自己認識、そしてコンゴの公用語であるフランス語のラップを聴いて育ったという背景があるようです。
●Temporary Forever (Prod. Eric G.) / xxMONOLOGUExx (Prod. PGMW & THE BL∆CK HE∆RTS CLUB) / Posted on May 19, 2014
そして、この『MTYSD: The Revenge of the African Booty Scratcher』を聴きながら「腕のいいプロデューサーがいるなあ」と思っていたTHE BL∆CK HE∆RTS CLUBですが、なんとこのWell$も所属するグッド・ミュージック・コレクティブらしいのです。この曲なんてまるで全盛期のデ・ラ・ソウル、もしくはそれ以上の何かでしょう(限りなく生演奏っぽく聴こえるサンプリング??)。
●THE BL∆CK HE∆RTS CLUB - 'Girl Tell Me Something' / Posted on Oct 21, 2014
他のメンバーは、Well$のいとこにしてラッパー/プロデューサーでもある
Alec Lomami(コンゴ産のソロEPはヘンテコ・アフロ・ポップでマスト!)と、
●Alec Lomami - 'CLV (ft. Sammus & Badi Banx)' / released 30 April 2013
ニューオーリンズのシンセ・ポップ・バンドである
Youth Soundsのメンバー、Luchoのお二人。THE BL∆CK HE∆RTS CLUBとしても2015年にEP『Insomnia』をドロップ予定なのでこちらも期待でしょう。メモメモ。
●Youth Sounds - 'Before It's Too Late' / Posted on Nov 13, 2014
なお、彼らは拠点もバラバラで音楽の趣味も一見、バラバラです。
あるメディアの取材において、結成の目的は「タイムレスな音楽を作ること」で、あなたたちはどこを拠点に活動してるのか?との質問に「インターネット」との回答。クーーール。