ブログの更新速度がガクッと落ちたので失望している人もいるかもしれませんが、まあ、年末の大量更新は自己紹介を兼ねたお披露目会だったと思ってください。現状、映画中毒にやられてしまっている関係もあり、速報性のある音楽ブログとしての更新は難しいかもしれません。
そこで、「最低でもこれだけは」というノルマを自分に課すことにしました。HHWにお世話になっている頃にあった《マンスリー・ベスト》です。これを毎月5作品、厳選して月末最終日から翌月の5日くらいまでのあいだには公開したいと思います(1月のベストであれば2月の5日くらいまでには公開)。したがって、今年の12月のマンスリー・ベストは来年の1月5日くらいに公開として、それを年間ベストの発表に差し替えるか、年間ベストはさらにそのあとにするか、まあだいたいそのようなスケジュールになるかなと。したがって、最低でも60作は年間を通して選べる計算になるので、これだけは音楽ブログとしての最低ラインとしてキープしていく所存であります。
さて、早速ですが、最初は「1月だし去年のアルバムを混ぜたへっぽこリストで勘弁してもらうか~」などと思っていたのですが、これが甘かった。当たり前ですが、新しい一年はもう始まってます!(注意・恥ずかしながら、Björkの『Vulnicura』は予約したアナログ・レコードの発送待ちです・・・・以下、順不同。)
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Arca - 'Sheep'
アルカ的なもの、というか、『&&&&&』的なものというのがエクスペリメンタル界隈で徹底的に相対化(あるいは、批判)されていくのが2015年だろうなと曖昧な予想を立てていた矢先、Arcaが『&&&&&』に近いモードで帰還するとは、いったい誰が予測し得たか。ちゃんとした契約のある人間が、このレベルの作品をポンとフリー公開してしまう大胆さは一体なんなのか。このミックステープ『Sheep』は、彼/彼女のディスコグラフィーの最高地点に位置するかもしれない。
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Funkss - 'Radon'
[
TOMCREW]
まずは、このジャケ。ほぼ同時期にリリースされたArcaのミックステープのアートワーク(もちろん、カンダによるもの)とも共振する《水っぽいメタル》感。それを人型のシルエットに纏わせるというのが、いったいどんなモード/コード下にあるのか、さっぱり見当もつきません。一方、音の方はというと、ディストロイド的なインダストリアル・テクノの経過した上での、さらには、2014年後半から少しずつアリなものになり始めている気もする《素直にチル》な感覚を踏まえた上での、さらにはジューク/フットワークの身体性を通過した上での何か。この界隈は単独のメモでまとめたい。
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YGTUT - 'Preacher’s Son'
[
self-released]
ヒップホップのミクステから一作。本人のHPからの直買い方式です。ひと言でいうならジャジーなトラップ。この「ジャジー」が吉と出るか、凶と出るか。モードとしては2014年のうちにすでに聴き馴染んだものではあるが、クオリティは非常に高い。この界隈も単独のメモでまとめる必要があるだろう。
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DOKO - 'Your Best Nightmare'
[
Flamebait]
ポスト・インターネット・グライム、その最新版。《Post-irony》に関する日本語の記述がどこにあるのか皆目見当もつかないが、皮膚感覚では理解できる。皮肉はすでに何周もしているが、果たして今は表なのか、裏なのか。ともかく、最高だ。黙って聴くべし。
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Sean Mccann - 'Ten Impressions For Piano & Strings'
馴染みのない一見さんからすれば、アンビエント/ドローンといった曖昧な括り方をされる作品群は、なんだかどれも似たようなものに感じてしまって、近寄りがたい印象を持っているのかもしれない。しかし、この1988年生まれによる完成されたアンビエントを聴いていると、結局はジャンル固有の問題ではなく、それはあくまでも作家の才能/センスの問題でしかないのだと断言せざるを得ない(これまでのディスコグラフィーは、個人の
Bandcampでデジタル・ダウンロードできる)。しかも、<Recital>からの『Music For Private Ensemble』あたりを機に、この早熟な天才作家は次のレベルを目指しており、この優雅な最新作にはモダン・クラシカルな圧倒的陶酔が待ち受けている。